2026.01.02

お正月で時間があるので普段から考えていた事を言語化してみようと思います。

中村です。


※関西には「本物のボイストレーナー」がなぜ少ないのか??

― データと業界構造から見える現実 ―

「関西には本物のボイストレーナーが少ない」


これは感覚的な話ではなく、僕がスクール事業をやり出してから常々感じていた事であり、ここ数年、東京での超一流アーティストやボイストレーナーと接する機会が増え、感情論ではなく、客観的なデータと業界構造から導き出せる事実として考察したいと思います。

先程も言いましたが、今回は感情論ではなく、数字・分布・教育背景という視点から、その理由を整理してみたいと思います。

普段ずっと考えていても日々のやる事に追われてしまうと頭の中でバラバラになってしまってなかなか整理が出来ないので⋯(笑)



① そもそも「ボイストレーナー」に国家資格は存在しない。


まず大前提として、日本には「ボイストレーナー」を証明する国家資格は存在しません。
つまり現在の市場では、
自称ボイストレーナー
数ヶ月の民間講座修了者
元アマチュアバンド経験者。
これらがすべて同じ肩書で活動可能です。

▶ 客観的事実
厚生労働省管轄の資格:存在しない
文科省認定の指導者資格:存在しない
この構造自体が、指導レベルのバラつきを生む最大要因です。

まぁ⋯国家資格があったとしても全然仕事出来ない人もいるのでこれも一概には断定出来ませんが⋯

しかし、国家資格を取るには一定の努力が必要なので、それを人より出来る人と言う時点で価値はあるかと思います。


② プロの音楽教育機関は「圧倒的に東京一極集中」

次に、音楽教育機関の分布データです。
主な音楽大学・専門機関(一部)
東京藝術大学
洗足学園音楽大学
桐朋学園
国立音楽大学
昭和音楽大学
これら声楽・発声教育の最高峰は、ほぼすべて関東圏に集中しています。

▶ 客観的事実
声楽・発声学の第一線研究者の在籍率:関東圏が圧倒的多数
関西圏の音大数・講師数:関東に比べ明確に少ない。

つまり、「学術的に正しい発声」を体系的に学べる環境自体が関西には少ないのです。

③ メジャーアーティストの制作現場も東京集中


レコード会社やレーベル・制作プロダクションの所在地データを見ると、メジャーレーベル本社、音楽制作スタジオ
ディレクター・プロデューサー。
その8割以上が東京圏に集中しています。

▶ 何が起きるか
現場基準の歌唱指導が東京で磨かれる。

※関西では「自己流」がそのまま指導になる。

※最新の制作トレンドが反映されにくい。


これは努力の問題ではなく、物理的距離による情報格差です。これだけSNSやオンラインが普及してもやはり現場感を知っている否かは大きな差になる様です。



④ 関西は「芸事文化」が強いが、発声科学が弱い。

関西は本来
演芸
舞台
表現力
といった芸の文化が非常に強い地域です。

しかし一方で、
解剖学
音声学
呼吸生理学
といった発声を支える科学的教育は、軽視されがちでした。

▶ 結果
感覚論中心の指導
「喉を開けろ」「腹から出せ」で止まる
再現性・安全性が低い
これは文化的背景による構造的問題です。

⑤ 「本物」の定義を満たす人が、そもそも少ない。

ここで重要なのは、本物のボイストレーナーの定義です。

少なくとも以下を満たす必要があります。

※発声理論を言語化できる。
※再現性のある指導ができる。

※生徒の声を壊さない。

※プロ現場基準を理解している。
※歌手としてもボイストレーナーとしてもそれなりの実績がある。

この条件をすべて満たす指導者は、全国的にも決して多くありません。

関西ではその母数がさらに小さくなる。
これは個人能力の問題ではなく、育成環境の差です。

結論:関西に「いない」のではなく「育ちにくい」

重要なので、誤解のないようにまとめます。

関西に才能がないわけではない。

努力している指導者も多い。

しかし「本物」が育つ構造が弱い。つまり、関西には本物のボイストレーナーがほとんど「存在しない」のではなく、存在し続けることが難しい構造がある。

これが、データと事実から導ける結論だと思います。

ちなみに僕はボイストレーナーでも何でも無くギタリストで経営者です(笑)

が、25年この業界に居ると流石に色んな事が見えて来ました。

株式会社ソウルクリエイトミュージックを設立したのも「本物のボイストレーナーによる再現性のあるちゃんとした音楽教室をやりたい!」

と言う思いからでした(ギターレッスンも全く同じ動機)。

玉石混交なこの業界で、真面目に、ひたすらに生徒さんに利益ある音楽指導を目指してこの組織を磨き上げてきました。

その甲斐あってか、数年前から想像もしていなかった超一流音楽家にお声がけ頂き、現在も業務提携を続けさせて頂いております。

これこそが、弊社が求めていた姿であり、我々が幹部と一丸となって取り組んできた成果かと自負しています。


我々は大規模な全国展開は考えておりません。

今後もやりません。

と言うか出来ません。

生徒さんにとって真に利益となる素晴らしいボイストレーナーを育成するにはとんでもない労力を要します。

素晴らしいボイストレーナーを揃えようと思えば全国展開など出来るはずが有りません。

弊社はそこを参入障壁とし、めんどくさい事をやり抜き、予算がかかる所をかけて小さく、強いハードパンチャーを目指して各地域で存在感を強めて来ました。

今後もその方針は大前提として組織を強く育てて行きたいと思います。



しかし⋯

こんな長い文をよくここまで読んでくれましたね!!

そんなあなたはもう既に中村のファンである事は分かっています☺

こんな真面目な長い文章は年に数回、頭がクリアな時しか書けないので次回は1年後あたりに⋯

今日は家族サービスで楽しい1日を過ごしたので、明日は引きこもって明後日からの仕事初めに備えたいと思います。